シニアのためのメディカルコラム:糖尿病シリーズ3 「糖尿病をどのように診断するか」

糖尿病シリーズ 3.糖尿病の診断

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
今回は糖尿病の診断についてです。
ここまでのコラムを読んで、「私って、ひょっとして糖尿病?」なんて不安になった方もいるかもしれません。
今回のコラムで皆さんの診断をするわけではないですが、糖尿病と医師が診断するのはどういった状況かをお伝えしたいと思います。

糖尿病の診断

さて、早速本題です。
糖尿病の診断はどのようにするのでしょうか?
それは、血糖の高い状態が続いていることを持って、糖尿病と診断します。
 
では血糖の高い状態はどのように判断するのでしょうか?
一般的には血液検査で行います。
血液を採取し、その中の糖の量を測り、基準値よりも高いことで糖尿病と診断します。


では、糖尿病が心配な方は、今から血液検査をしてもらいに行けば良いのでしょうか?
これを書いているのはお昼過ぎで、先ほど私は牛丼を食べたばかりです。
血液中の糖は、当然のことながら食事中の糖質を吸収したものです。
なので、食事をした後は、血糖値は上昇します。
この上昇した血糖を持って、私は糖尿病と診断されてしまうのでしょうか?
それはあまりにも忍びないですよね・・・。
 
もちろん、我々医師も、いっとき牛丼を食べすぎたくらいで、糖尿病と診断したりしないですよ。
一時的に血糖が高いのみでなく、1〜2ヶ月の血糖値の変動を反映するHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シーと読みます)という数値や、空腹時の血糖、随時血糖と呼ばれる食事と関係ない時間の血糖など複数の検査結果を組み合わせて判断します。

「HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)」について

HbA1cは治療編でも出てくる重要な検査結果です。
なので、少し詳しく説明しましょう。Hbというのはヘモグロビンの略です。
 
ヘモグロビンって聞いたことありますか?
血液中の赤血球に含まれる成分です。
普段は酸素を運ぶ役割をしています。
このヘモグロビンですが、周りに糖が多いとくっつく性質を持っています。
HbA1cというのは、この糖とくっついたヘモグロビンのことです。
 
周りに糖が多いと、当然、糖とくっついたヘモグロビンが増えます。
ヘモグロビンの中で、この糖とくっついたHbA1cの割合を検査して、それが高いと「一時ではなく、血糖が高い期間が続いている」と判断します。
なので、HbA1cは1ヶ月から2ヶ月程度の血糖値の指標として測定しているのです。
 この診断の流れは少し複雑なフローチャートになっているので、読者の皆様が正確に理解する必要はありません。
どうしても気になる方は、「糖尿病」「診断基準」って言葉をインターネットで検索すると、多くのホームページで診断のフローチャートが確認できると思います。

検査以外の診断項目

検査結果以外にも糖尿病の診断について、重要なことがあります。
それは、糖尿病の典型的な症状があるか?という項目です。
前回、
・喉が渇く
・尿の回数が増える
・疲れやすくなる
・体重が減る
と言った症状を紹介しました。
前回コラム:シニアのためのメディカルコラム:糖尿病シリーズ2「糖尿病になると、なぜ色々な病気になるのか?」

こう言った糖尿病の典型的な症状があることも、糖尿病の診断に非常に重要な項目になります。
糖尿病の診断には検査を繰り返して行うこともあるんですけど、こう言った症状があると再検査を待たずに糖尿病と診断されます。
もしこう言った症状があるかたは、担当医に教えてくださいね。

まとめ

以上、今回は糖尿病の診断についてでした。次回から「糖尿病の治療」をお送りします。

この記事のライターをご紹介

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

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