シニアのためのメディカルコラム:糖尿病シリーズ2「糖尿病になると、なぜ色々な病気になるのか?」

糖尿病シリーズ 2.糖尿病の概要の続き

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。前回から糖尿病シリーズがスタートしました。今回は糖尿病の概要についての続きです。

糖尿病は何が怖いの?

前回は糖尿病がどのような病気かを説明してきました。
(リンク)前回コラム:糖尿病シリーズ 1話「糖尿病の原因とは?」
インスリンというホルモンがうまく働かなくなり、血液の中にブドウ糖が蓄積していってしまうというものでした。

では、このブドウ糖が多く血液の中にある状態が持続すると、何が起こるのでしょうか?
このブドウ糖は血管を痛めていくことが知られていて、これが様々な問題を起こします。血管は全身にはりめぐらされているので、様々な影響が出ます。
例えば、比較的大きく太い血管への影響としては、脳梗塞や心筋梗塞の発症が例として挙げることが出来ます。
また、小さく細い血管が痛むと、小さな血管が集まっている腎臓などに影響が出ます。
こういった糖尿病の慢性合併症は、数年から数十年という長い時間をかけてゆっくりと進行します。
こういった命に関わる病気を、知らず知らずに引き起こすので、糖尿病は怖いのです。

糖尿病の症状

糖尿病の症状は様々です。
特に合併症がない方は、あまり症状を自覚するもありません。

ただ、血糖値が高い状態が続くと、以下のような症状が出ます。
・喉が渇く
・尿の回数が増える
・疲れやすくなる
・体重が減る
 血糖が高いと、尿が増えて脱水になりやすくなります。
そのため、喉が渇き、水を飲む量が増えます。

疲れやすくなるのはわかるけど、どうして体重が減るの?って思った方がおられるかもしれません。
糖尿病はインスリンの作用が低下して、血液の中のブドウ糖を細胞の中に取り入れることができなくなります。

つまり、せっかくたくさんある血液中のブドウ糖を、エネルギー源として使えないのです。そのため、栄養はたくさんあるけど、体にとっては栄養が少ない状態と同じようになってしまいます。
これにより体重が減ってしまうのですね。

まあ、体重は他の様々な要因にも影響を受けますので、糖尿病患者さんは必ず太っているというわけではないという理解でよろしいかと思います。
他に、極端に血糖が高くなって、非常に脱水が強いと意識を失ったり命に関わることも知られています。

代表的な糖尿病の合併症

血管を傷めることで生じる糖尿病の合併症ですが、代表的な3つの合併症が知られています。
神経障害、網膜症(眼の障害)、腎障害の3つです。
「しんけい」「め」「じんぞう」の頭文字をとって、「しめじ」なんて覚えたりします。それでは、順に見ていきましょう。

神経障害

神経が傷んでしまい、じんじん、ピリピリとした痛みや、感覚が低下して裸足なのに厚手の靴下を履いているような感覚となります。
足の方がそういった症状が出やすいことから、神経障害の診察は足の裏を刺激して、その感覚の感じ方をみます。
じんじんと痛いのも嫌ですが、感覚が低下するのも困りものです。
足をぶつけたり、靴擦れなどに気づかず、小さな傷から細菌に感染してしまいます。
この傷は重症になりやすく、ひどいと足を切断せざるを得なくなることもあります。

網膜症(眼の障害)

網膜というのは眼の奥にあり、目から入った光景をキャッチするスクリーンの役割をしています。
そこには小さな血管が巡っているのですが、糖尿病の影響で血管が痛むと出血してしまいます。
そうすると、目が見えなくなってしまうので、影響は甚大ですね。

腎臓は血液から老廃物を尿として排泄するのが役割です。
なので、腎臓は血管の塊といっても良いほど、血管が多くあります。
糖尿病によって血管が痛むことで、腎臓の機能が低下してしまいます。
その結果、血液透析という治療が必要になり、我が国の血液透析になってしまう原因の第1位は糖尿病です。

腎障害

腎臓は血液から老廃物を尿として排泄するのが役割です。
なので、腎臓は血管の塊といっても良いほど、血管が多くあります。
糖尿病によって血管が痛むことで、腎臓の機能が低下してしまいます。
その結果、血液透析という治療が必要になり、我が国の血液透析になってしまう原因の第1位は糖尿病です。

まとめ

いかがでしたか?
今回は糖尿病の合併症を含め、その怖さについてお話ししました。
次回は糖尿病の診断についてお話ししていきます。

この記事のライターをご紹介

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

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