シニアのためのメディカルコラム:高血圧シリーズ5「高血圧と生活習慣」

高血圧シリーズ5(最終回)

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
今回で高血圧は最終回です。
前回までは降圧薬について、お話ししてきました。
ただ、どの病気もそうですが、薬以外の治療も大事です。
特に、高血圧のような生活習慣病にとって、生活習慣を改善することは時に薬以上に大切な治療になります。今回はそういったお話です。

高血圧患者さんの生活改善① 塩分

まず第一に注意していただきたいのが、塩分を控えることです。
利尿剤のところでも話しましたが、塩分に含まれるナトリウムは血圧上昇の原因となります。
そのため、塩分を食事の中で過剰に摂取しないように注意します。
本当に制限が必要な方には、1日7g以下にしましょうという指導がなされます。
これ、結構大変です。インターネットなどで各食品に含まれる塩分量などが簡単に入手できるので、お時間ある時に是非みてください。
私が内科の外来で「塩分を控えてくださいね」と話すと、大抵の方、特に女性の方は「注意してますよ」と話されます。
むしろ、毎日家族の健康を考えて炊事をしておられるプライドを傷つけちゃったかなと心配する感じで、ちょっとムッとする方もおられます。
ただ、食品に含まれる塩分量を一緒に見ると、びっくりされることがほとんどです。
そもそも、1日 7gの塩分摂取というのは、よほど注意しないと実現しないのです。
ちょっとお醤油控えめにしてます、程度ではなかなか実現しません。
だって、梅干し1個で2.2gですからね。
「3個食べたら、1日他の塩分はもう摂らない」なんです。
たくあん5切れで1.3g、ラーメンは1杯を汁まで飲んだら5gを超えます。
塩分に気をつけていると思っている方も、まずはご自身が摂取している塩分量を大まかで良いので把握することから始めてみましょう。

高血圧患者さんの生活改善② 体重

次は体重についてです。高血圧の方に肥満はやはり良くないです。
また肥満傾向にある方の食事は、多くの場合塩分も多めです。
なので、体重を適正に保つことを意識した食事は、血圧には非常に重要になります。

高血圧患者さんの生活改善③ アルコール

どんどん行きます。アルコールも大事です。アルコールは一定量を超えると血圧を上昇させ、さらに1日の飲酒量が多い方は血管も痛めつけてしまいます。
また、繰り返しのように聞こえるかもしれませんが、お酒を飲むときのおつまみの多くは、塩分を多く含みます。
ですので、適切なアルコール量である、日本酒では1合、ビールなら500ml以下で、きちんと休肝日を取るという飲み方をしましょう。

高血圧患者さんの生活改善④ 喫煙

喫煙は動脈硬化の非常に強力な危険因子です。
高血圧での血管の障害をさらに進行させてしまいます。
喫煙者には厳しく聞こえるかもしれませんが、事実なのであえて直球で言うと、「高血圧だから将来が不安です。降圧薬を出してください。」と言いながら、喫煙しているのは全くもって本末転倒な光景です。
ただ、禁煙することは非常に難しいことです。まずはご自身の喫煙の状況に向き合い、ご自身の健康問題にどのように向き合うかを考えてみることから始めましょう。

高血圧患者さんの生活改善④ 運動

適度な運動は体重減少に関連して、重要な生活習慣になります。体の状況によっては、運動の強度を調整する必要があるので、あまり無理な運動をするのではなくかかりつけの先生と相談しながら取り組んでください。

 以上、生活習慣のアドバイスになります。これらに一度に取り組むのは難しいので、1つずつの取り組みを3ヶ月くらいの期間でゆっくりと習慣にすることをお勧めします。

まとめ

 今回で高血圧については最終回です。次回からは糖尿病について、新シリーズがスタートします。

この記事のライターをご紹介

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

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