シニアのためのメディカル・コラム:高血圧シリーズ2「なぜ、人は高血圧になるのか?」

高血圧シリーズ2

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
前回から高血圧のシリーズがスタートしました。
第2回である今回は、高血圧の診断とその原因をお話ししていきます。

高血圧の診断

血圧が高いと、高血圧と診断されます。
その血圧の高い基準をご存知ですか?
血圧は「130の84」みたいに表現しますよね。
もしくは、「上が130で、下が84ですね」みたいな表現かもしれません。
この数字が前回紹介した、血液の圧力です。(水圧で表現すると大きな数字になるので、水銀を使った測定単位で表現しています。「mmHg」、「ミリメートル水銀柱」などと言います)
 
大きい方の数字で、上の血圧なんて表現されている方は正確に言うと、収縮期血圧(しゅうしゅくきけつあつ)と言います。
小さい方の数字で、下の血圧は拡張期血圧(かくちょうきけつあつ)と呼びます。
この収縮と拡張というのは、心臓の収縮と拡張のタイミングを意味しています。
心臓が収縮して血液をぎゅっと全身に送っているタイミングの血圧を収縮期血圧、心臓が拡張して次に送り出す血液が流れ込んでいるタイミングの血圧を拡張期血圧と呼びます。
 
このシリーズでは簡便さを目的として、血圧は「○○/△△」という表現にします。
左側が収縮期血圧(上の血圧)/右側が拡張期血圧(下の血圧)という風に理解してください。

数値がどれくらいなら「高血圧」と診断されるの?

難しい話はこのくらいにして、結局どの程度の血圧の高さがあったら高血圧か?という点についてです。
これは、140/90が一つの基準となっています。
ただし、前回も話した通り、血圧は体を動かした後は上昇するのが当たり前なので、これは安静時の血圧という前提です。
なので、息を切らしながら血圧を測定して、高血圧だ〜って心配はしなくて大丈夫です。
あと、一般的に血圧は病院で測定すると上昇しやすいことが知られています。
なので、自宅で測定した時の血圧は、高血圧の基準を少し下げて135/85とします。 

高血圧の原因は色々ある

高血圧の基準がわかったところで、少し立ち止まって考えてみましょう。
なぜ、人は高血圧になるんでしょうか?
皆さんの周りや、ひょっとしたら皆さん自身も高血圧と診断されているかもしれません。
実は高血圧の原因はいくつもあって、覚えるのは大変なくらいです。
 
中には、皆さんが聞いたことがないような特殊な病気に関連した高血圧もあります。
例えば、褐色細胞腫や原発性アルドステロン症という病気です。
聞いたことないですよね?
まあ、こういった特殊な病気に関連していないかな?というのは、高血圧診療に関わる医師が、患者さんに気づかれないうちにこそっと考えてくれているので、皆さんがあまり心配しすぎなくて大丈夫です。


高血圧で最も多いのは、本態性高血圧といって、特段の原因がなく高血圧なっている状態を言います。
本態性高血圧のように年齢とともに増えていく高血圧は、血管が徐々に痛んでいくことに関係しているので、動脈硬化と呼ばれる血管が悪くなる現象を進行させないことが重要です。
例えば、肥満や喫煙というのはその代表になります。
血管の動脈硬化が進行することが高血圧のよくある原因なので、動脈硬化を進行させないようにしていくことが重要な治療になります。

まとめ

高血圧シリーズの第2回目は、高血圧の原因に注目してみました。
いかがでしたか?
 
自分にはどのような高血圧の原因になりそうなことがあるか、この機会に振り返ってみてください。
次回は高血圧の治療薬についてお話します。
 

この記事のライターをご紹介

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

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