シニアのためのメディカル・コラム: 高血圧シリーズ1「血圧って何?血圧が高いと何が悪いの?」

高血圧シリーズを始めます

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
今回から5回にわたって、高血圧のお話をしていきます。
血圧が高いと何が良くないのか?ということから、高血圧にならないための工夫や治療について、皆様にお話しできればと思っています。
今回は、まず高血圧を理解することから始めましょう。

そもそも血圧ってなんでしょう?

高血圧に注意しましょう!とか、高血圧は怖い!といったことを聞いたことがある方は多いと思います。
もちろん、様々な病気の引き金となる高血圧なので、今回のシリーズでゆっくり解説していくのですが、そもそも血圧はどういうものなのかを理解する必要があります。
血圧とは、体内をかけ巡る血液の圧のことを意味します。
水の圧のことを水圧と言いますよね。それの血液バージョンです。
 
水圧が高いとどうなりますか?
例えば、ゴムホースで水を出す時を想像してみましょう。
水がゴムホースの先から流れ出ている光景です。
ゴムホースを上に向けると、一定の高さまで水が上がります。
もし、蛇口を緩め、水を多く流すとより高いところまで水が上がります。
水圧が高まったのですね。
ゴムホースは多少の伸び縮みはしますが、あまり水の通り道の体積としては変わらないとすると、同じサイズの場所により多くの水が通るため、その水圧は高いものになるのです。
他にも水圧を高める方法があります。小さい時によく、ホースの先端を指で押さえると、狭くなった先端から勢いよく水が飛び出してくるので遠くまで飛ばして遊びませんでしたか?
水の量は変わらなくても、通り道の形が変わることで、水圧が変わります。

ちょっと単純化してますが、血圧ものこのホースと水の出る勢いと似ています。
これが血液と血管になっただけです。血圧という概念の最初の頃は、馬などの実験動物の血液が、どの程度の高さまで達するかを観察していたと言われています。
 
この血液の流れる圧を、その度にどこまで血が吹き出るか?という測定の仕方はできないので、安全で簡単に測定できないか?と開発されたのが現在の血圧計になります。
今は血圧の高さは腕にマンシェットと呼ばれる布状のものを巻き、それを空気で締め付けて腕周囲の圧を高め、その圧に対する血管の広がり具合で血圧を測定しています。
もっと厳密な血圧の測定や、それこそ秒単位や分単位の血圧の変化を知る必要があるときには、動脈のなかに点滴のような管を通して直接的に血圧を測定しています。

血圧が高いと何が困るのか?

さて、ここまで血圧が高いとはどういうことかを説明してきました。
ホースからの水圧が高ければ勢いよく水が吹き出るように、血圧が高いということは、その勢いで血液が流れているということになります。
もちろん、血圧は必要なときには上昇する必要があります。
例えば、運動をするときなどは大量の血液を体の様々なところが必要とするわけですので、心臓も頑張って血液を送り出します。
他にも血管が縮まったり、体内の色々な機能が血圧を上昇させます。これは全く問題ない血圧の上昇です。
ここで問題となる高血圧というのは、こういった血圧を高めないといけない状況でないのに、血圧が高いことを言います。
なので、血圧を測定するときには動いてすぐではなく、安静にしているときなのです。
本来、血圧が高くないはずの安静時に血圧が高い状態が続いていることを高血圧と呼びます。


血液は血管の中を流れています。
それが、常時高い血圧にさらされると、ちょっとずつ血管を痛めていきます。
その結果として起こることは、血管が破れてしまったり、つまるといったことです。

血管も私たちの皮膚などと同じように、細胞からできています。
特に血管の内側には、血管内皮細胞という細胞があり、血管の内面をコーティングしてくれています。
これが痛んでしまうことが、この病態の要因の一つとなります。

血管の障害は、その血管の場所によって生じる病気が異なります。
心臓の血管である冠動脈が詰まれば、心筋梗塞です。
脳の動脈が破れたら脳出血や、くも膜下出血、詰まったら脳梗塞が生じます。
腎臓のように細い血管がたくさんある臓器では、腎臓の機能が低下してしまい腎不全と呼ばれる状態になります。
このように、全身で重要な役割を人会う血管を痛めてしまうため、高血圧は重要なのです。

まとめ

高血圧シリーズの第1回として、血圧と高血圧の影響についてお話しました。
次回は、高血圧の原因について話していきます。

この記事のライターをご紹介

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

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