相続法改正:旦那のご逝去後、奥様は遺産をどう受け取れるか?

相続法改正

2019年7月(一部は1月)からは相続法の改正が施行されます。
実に40年ぶりの大改正になります。
相続税については、2015年にも税制改正が行われて大増税が行われたのが記憶に新しいところです。
今回は1980年以来、約40年ぶりに相続法の大きな見直しがされることになったことから、改めて大きな話題となっています。

改正ポイント

下記、2019年7月1日より施行されます。

1. 婚姻期間20年以上の夫婦の自宅の贈与が、遺産分割の対象外になります。

2. 遺産分割前の預貯金の払い戻しが可能

3. 長男の妻も財産を取得することができるようになります。

4. 遺留分制度の見直し

上記の他にも、自筆証書遺言に関する見直しや配偶者居住権の新設など2020年にかけて改正されます。

今回は、上記1と2についてご説明します。

1. 婚姻期間20年以上の夫婦の間で、居住用不動産を贈与または遺贈したときは、遺産分割の対象外に

下記、2019年7月1日より施行されます。

1. 婚姻期間20年以上の夫婦の自宅の贈与が、遺産分割の対象外になります。

2. 遺産分割前の預貯金の払い戻しが可能

3. 長男の妻も財産を取得することができるようになります。

4. 遺留分制度の見直し

上記の他にも、自筆証書遺言に関する見直しや配偶者居住権の新設など2020年にかけて改正されます。

今回は、上記1と2についてご説明します。

(具体例)夫の財産が自宅2,000万円(生前贈与)、預貯金5,000万円(相続人:妻、子1人)だった場合

 今までは、自宅2,000万円を夫から妻に生前に贈与していても、夫が亡くなった時は夫の財産を7,000万円と考えて、妻と子供で財産を分けることになるため、妻は2,000万円の自宅の他に1,500万円の預貯金しか受け取ることができませんでした。
 今後は2,000万円の自宅はすでに贈与されていることから、持ち分の計算の対象にはせず、5,000万円の預貯金を子供と1/2ずつ分けることになります。
そのため、妻は2,000万円の自宅と2,500万円の預貯金を相続することができるようになり、改正前より妻の取り分が1,000万円多くなります。

2.遺産分割前の預貯金の払い戻しが可能になります

 被相続人の銀行口座について、相続人全員の印鑑がなくても、一定額であれば、単独で預金をおろすことができるようになります。
 今までは、死亡により凍結された銀行口座は、相続人全員の署名、実印、印鑑証明書がなければ、口座からおろすことはできませんでした。
 これが一定額であれば、他の相続人の同意がなくても相続人一人が単独でおろせるようになります。

 今後、相続が発生した後に、葬儀費用や医療費など、緊急で資金が必要になっても立て替えずに対応できます。
ちなみに、引出方法は2パターンあります。引出方法によって、上限金額はかわります。

引出方法

(1)金融機関に直接依頼した場合
金融機関ごとに、預貯金残高×1/3×相続人の法定相続割合(上限150万円)

(2)家庭裁判所に申し立てる場合
上限額は法定相続分となり、(1)より上限額は大きくなりますが、裁判所への申し立ての手続きが煩雑であり、また引出の理由が必要になります。

状況に応じて、(1)、(2)の有利な方を選択することになります。

次回は、上記の改正ポイント3「長男の妻も財産取得が可能」、改正ポイント4「遺留分制度の見直し」についてご説明します。

この記事のライターをご紹介

磯貝 慎一郎 (イソガイシンイチロウ)

税理士

平成14年3月に開業。
スピーディーなアドバイスとサービスをご提供します。
開業支援 金融機関対策 相続税対策 税務調査対策を得意としています。

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