「仕事」をしながら「介護」。5年前から約60万人増!!!

従業員向け介護セミナーの実施を通して

㈱アットウィルでは、「介護離職防止のための勉強会」を色々な会社で実施しています。
特に、毎月、関電サービス㈱というお会社さまの各営業所で、検針(電力の使用量確認業務)に取り組む従業員さま等に対し30~45分程度の勉強会を行っており、半年間で7箇所、計350名程度に説明を行ってきました。

対象が40代~50代の女性ということもあり、皆様、大変熱心に聞いて頂いています。
この手の勉強会では、3割程度の方が”熟睡”ということがよくあるのですが、皆様、”身近なテーマ”でもありますので、誰一人寝られる方もなく、一所懸命メモを取っておられる方も多いです。

セミナーの内容は
・身内の方が要介護状態になった場合にあわてないように準備しておくこと
・要介護状態になったらすぐにすべきこと(認定調査等)
・介護保険サービスの説明と利用の仕方
・介護施設の役割と利用料金、選び方
とごく基本的なことです。
この内容に「介護認定の上手な取り方」「エリア別の特養の入居状況」等トピックスを取り混ぜてお話しをしています。

女性が多いセミナーなので、講義中も「ザワザワ」とおしゃべりをされる方も多数いらっしゃいます。
ですが、講義をしながら、そっとおしゃべりの内容に耳を傾けますと、「実はうちのお義父さんも要介護3で、、、、」「私のところは何とか特養に入ってくれた、、、」「中々デイサービスに行ってくれないのよ、、、」等々、自身の介護体験の内容がほとんど。
私の講義の内容を聞きながら、隣席の方と介護談義の花が咲いています。

介護をしているほとんどの方が孤独に黙々と取り組んでおられるのが現状。
職場で同僚と介護の話をすることにより、少しは気が楽になりますし、また、同僚の方々も仲間の悩みを共有することにより、仕事のフォローに取組んで頂ける等、セミナー一つだけでも様々な効果が見受けられます。

セミナー後も多くの個別相談があり、本当にやりがいのあるセミナーとなっています。

2017年就業構造基本調査より

総務省が今年7月に発表した、2017年就業構造基本調査によりますと、雇用されて働く人のうち、介護をしている人は約300万人。
特に40歳以上60歳未満の男性従業員は87%以上、40歳以上55歳未満の女性従業員は67%以上と大変高い確率で仕事と介護の両立を行っておられます。
この年齢層の従業員は”子供の教育”とも重なっており、仕事・親の介護・子供の教育の3つの重大事をこなしながら生活をしておられます。

そんな大変な状況の中で、少しばかりの光明が。
仕事介護の両立を行っておられる方が5年前より60万人増えたにも関わらず、介護で仕事を辞めた方は、5年前とほぼ横ばいの10万人。10年前の2007年の14万人に比べると約4万人減少しています。

色々な要因が考えられますが、
・「働き方改革」推進に伴い、介護休業・介護休暇に加え、就業時間調整等を導入する企業が増え、また「介護」に関する様々な情報を会社側が従業員に知らせることにより、介護に備える方が増えた
・10年前に比べ介護保険サービスの種類が増え、色々なサービスを選択出来ることにより、会社を辞めることなく介護を継続できている
・10年前に比べ民間の有料老人ホームやサービス付高齢者向住宅等、要介護高齢者の受け入れ施設が増えた
等が挙げられるとと思われます。

ただ、介護の需要は今後も増えるばかり。
介護業界で働く人を増やさないと、いずれは需要と供給のバランスが破綻するのは目に見えています(実際に破綻している事業所も多数ありますよね)
地域包括ケア構想も良いのですが、介護業界に人を送り込む施策(給与面、資格面、働き方等々)をもっともっと真剣に国は考えていくべきではないでしょうか。

 

「介護支援は危機管理」花王の取組み

皆様ご存知のあの大手企業「花王」さまが、7月から新しいフレックスタイム制を始められました。
花王の新しいフレックスタイムは以下の通りです。
・朝7時から夜8時までの間で勤務時間を任意に選べる
・1日に少なくとも3時間45分働く必要があるが必ず勤務しなければならない時間帯はない
うまく利用すれば、1か月のなかで労働時間を柔軟に配分できる仕組みです。

「介護支援は危機管理」これが花王の今回の新フレックスタイム導入の狙いです。
花王では2009年に介護見舞金を申請した社員にアンケートや聞き取り調査を実施。
浮かび上がった課題が、
1. いろいろな負担があるが、「心理的」なものが多く、重い。主たる介護者を支える立場でも大きな負担を 感じている。 
2. 急に介護が発生したときは、特に混乱することが多い。
3. 「初期」「認定を受ける前」の負担も大きい。
4. 職場周囲に言い難く、また、理解を得られ難いはず、と思っている人が多い。実際、理解してもらえず苦 労したケースもある。 
5. うまく介護を進めている人には、オープンマインドで、いろいろな人に相談している/できていることが多い。   6. 介護は被介護者の実態が多様 → 一律の支援策では不十分で、さらなる支援が望まれている。
7. 介護の期間は85%が1年以上。
8. 介護認定を受けた家族は、3割は同居または徒歩圏だが、3割は公共交通機関で3時間以上かかる遠 方にいる。
9. 入居型施設の費用、自宅の改装費、介護保険だけでは支援が不十分などが経済的負担となる。   
だったそうです。
介護は個々に全く状況が違うため、一律の支援策では十分な効果が見込めない中、どのように従業員を支援していくか、、、、、。

そこで会社としての「介護の支援方針」を以下のようにまとめられました。
『介護の状況はさまざまであり、当事者が主 体的に対応すること(自助努力)が基本 です。
しかし介護の負担は重く、仕事との両立に 支障をきたすことがあるため、社員が介護と 仕事を両立しながら、業務において能力を 発揮し続けられるように、会社は本人の自 助努力を支援します。
また、周囲が介護責任を負う社員の事情 を理解し、「お互い様意識」を持って支援す ることが大切であり、会社はこのような環境 整備に努めます。』

この支援方針を基に、様々な施策を実施されています。
今回のフレックスタイム制度導入もその一つだと推察されます。

花王の他にも多くの企業が従業員の介護支援に取り組んでおられます。
まずは大手企業や公的機関からとなりますが、中小零細企業や介護事業者も取り組んでいかないといけない課題ですです。

株式会社アットウィルでは、従業員の仕事と介護の両立支援のために様々なお手伝いをさせていただいています。
・従業員への介護セミナーや情報発信施策のお手伝い
・アンケート調査
・福利厚生制度導入のご支援
・個別相談窓口の設置 等々
お会社さまの実態に合わせ、様々なメニューを御提供いたします。
これらの施策を中小企業向けの「助成金」を利用して導入することのお手伝いも行っています。
ご要望があれば、いつでもご連絡下さい。すぐにご相談にお伺いします。


 

この記事のライターをご紹介

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト穂の花編集長

株式会社アットウィル 代表取締役
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスのソーシャルビジネス事業部長に就任。同時に㈱かんでんジヨイライフ時代の仲間と㈱アットウィルを設立し代表取締役に就任。

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